/ 3月 12, 2019/ 税金・会計

昨年、2018年は副業元年といわれていたそうです。

会社に勤めながら、副業としてお金を稼いだり、もっと大きく、自分のビジネスを始められた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そして、そのビジネスがうまくいっている方は、自分で確定申告をしなければならない方、すでに確定申告を済ませた方もいるかと思います。

そうすると、自分で副業として稼いだお金に係る、税金の額も気になってきます。
払うべきものとはいえ、安く済ませられるなら済ませたいと思うのも人情です。

ここで注目したいのが、先日ご紹介しました、青色申告制度です。

個人事業主の強い味方!青色申告の特典と、その条件

「個人事業主の強い味方」と紹介していますが、サラリーマンの副業でも利用できるのでしょうか。

様々な特典があるので、利用できるならしたいところですが…。
それについて書いてみたいと思います。

青色申告の対象は「事業所得」「不動産所得」

そもそも所得税とはどんな税金なのか

さて、前提として、少し所得税の話をしておきます。
(なお、ここではあまり触れませんが、住民税もおおよそ似たような税金です。住民税は法人住民税、というものもあるので、個人だけの税金ではありませんが…)

所得税というのは、個人の利益から納める税金です。

個人の利益(専門用語でいうと「所得」といいます。)というのは、

  • サラリーマンが会社からもらっている給与
  • 自分で事業をして得た利益
  • フリーランスの報酬
  • 年金
  • マンションを賃貸して得た利益
  • 銀行に預けた預金の利息
  • 株式の配当
  • 株の売買で得た利益
  • 生命保険の一時金
  • ふるさと納税でもらった返礼品
  • 競馬の当選金

など、お金が入ったり、得したりした時に利益(所得)があったことになります。

この利益が1年間でどれだけあったかまとめて税務署に報告して、税金を納めるのが確定申告です。

個人の利益 = 所得、には種類がある

さて、その利益ですが、所得税法上、10種類(+α)に分類されています。

自分で働いて得た10万円と、マンションを賃貸して得た10万円、株を売買して得た10万円は、同じ10万円だけれど、それを得るためにかけた時間や労力が違うので、同じ税額にするのはおかしいでしょう。

という考え方からです。

その10種類とは、

利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得

となっています。
(+αについては、ここでは省略します。)

例えば、

  • 会社からもらう給料 → 給与所得
  • 自分で事業をして得た収入、フリーランスの報酬 → 事業所得
  • 不動産(土地や建物など)の賃貸の収入 → 不動産所得

という分類で、税金がかけられます。

青色申告の対象となる所得は

さて、話を青色申告に戻します。

青色申告で申告できるのは、上記10種類の所得のうち、

  • 事業所得
  • 不動産所得

の2種類です。

それ以外の所得については、青色申告という制度がありません。

ですので、事業所得や不動産所得がある人が、青色申告することができるということになります。

年金(雑所得)だけの人、会社からの給料だけの人(給与所得)は青色申告は関係ない制度だということです。

サラリーマン(給与所得者)と確定申告

サラリーマン、つまり会社からお給料をもらっている人(専門用語で「給与所得者」といいます。)は、青色申告できるのでしょうか。

そもそも、サラリーマン(給与所得者)は、基本的に確定申告する必要はありません。

というのは、会社がサラリーマンに代わって税金を納めているからです。

簡単に説明しますと、会社は、毎月の給料から税金分と社会保険料分を天引きして従業員に支払っています。
(これを「源泉徴収」といいます。)
そして、年末には「年末調整」という税金の計算をして、1年分の税金の過不足の調整をしています。

ですので、サラリーマンは確定申告をしなくても、会社を通じて税金をきちんと納めていることになります。

サラリーマン(給与所得者)が申告する場合は、

  • 医療費控除、住宅ローン控除の1年目等の年末調整で対応してもらえない控除を受ける場合
  • 他に収入(正確には、利益)がある場合

などが考えられます。

そして、青色申告の対象となっているのは「事業」「不動産」の収入なので、

  • 給与のほかに収入(利益)がある
  • それが「事業所得」か「不動産所得」に該当する

場合には青色申告をすることができる、ということになります。

医療費控除等を受けるために確定申告をする場合には、「事業所得」「不動産所得」にあてはまる利益があるわけではないので、青色申告はできません。
(というか、する必要がありません。)

さて、ここでいう「給与のほかの収入」ですが、副業の場合はどうでしょうか。

サラリーマンの副業の場合は、青色申告できるか

給与のほかに、副業の収入がある場合は青色申告できるのでしょうか。
いくつかの場合に分けてみていきたいと思います。

副業の利益が20万円以下の場合

まず、副業の利益(収入ではありません)が20万円以下の場合、本業の給与で年末調整を受けていれば、そもそも確定申告する必要はありません。
(所得税の場合です。住民税は申告する必要があります。)

ただし、副業以外にも生命保険の一時金や、その他の収入があって、副業とそれ以外の収入の利益の合計が20万円を超える場合には、確定申告が必要になります。

副業の利益が20万円を超える場合

副業(とその他の収入)の利益が20万円を超える場合には、確定申告が必要になります。
では、この時、青色申告することができるのでしょうか。

副業が、不動産賃貸から得た利益の場合

青色申告ができます。

不動産の貸付の規模によって青色申告特別控除額の上限(10万円、65万円)が変わってきますのでご注意ください。

それ以外の事業の場合

青色申告できるかどうかは場合によります。

というのは、副業が事業と認められれば、その利益は事業所得となって青色申告ができます。

しかし、副業はあくまで副業。
片手間でやって少しもうけたような場合には事業とは認められず、その利益は「雑所得」(その他の所得というようなもの)となります。

雑所得の場合には、青色申告ができませんのでご注意ください。

以上が、サラリーマンは青色申告ができるか、の答えになります。

が、ここで気になるのは、「副業が事業と認められれば」というところです。
副業は基本的には雑所得です。

ですが、事業と認められれば事業所得になる、と言われると、
青色申告できたほうがオトクな訳ですから、
自分のビジネスは、事業として認められるのか?、できれば事業として認められたい!、となると思います。

これについてもう少し詳しく見ていきたいと思います。

不動産所得以外の副業は事業所得になるのか

給与と事業の収入がある = その事業は副業 ではない!!

給与をもらっている人はどんな事業をしても雑所得になる、ということではありません。

給与と比較して、事業の利益の方が大きく、事業の利益で生計を立てている場合などは副業ではなく本業になりますので、その利益は「事業所得」になります。

開業届を出していれば「事業所得」になる

開業届を出していても、それですぐ事業所得になる、ということではありません。
また、青色申告承認申請書も出せますが、それですぐ事業所得になるということではありません。

自分で経験した話ではありませんが、確定申告をしに行ったら、「これは雑所得で申告してください」と言われることもあるそうです。

明確な基準は、今のところない

収入がいくら以上、利益がいくら以上なら事業となる、といったような明確な基準は残念ながら、今のところありません。

実質はどうなのか、をみて判断されるということになります。
実質とはなにかというと、

  • 事業として、利益をあげることを前提として、継続して行っている
  • 時間やお金をかけるなど、リスクを自分で負っている
  • 世間的に見て、事業として成立している

といったような、あいまいな状況です。

事業として申告すれば黒字なら青色申告の特典が受けられたり、赤字がでれば他の所得と相殺することができます。
それはつまり、税金が安くなるということです。

ただし、じゃあお得な事業として申告しておこう、というのは考えものです。
(特に毎年のように赤字になって、給与分の税金と相殺して還付を受けるのは考えものです。)

事業として申告したものが、後々、税務調査で「雑所得」といわれてしまうと追徴(追加で税金を払う)ことになって、なかなか辛いことになるのではないでしょうか。

自分のビジネスがお小遣い稼ぎの副業なのか、事業として行っていものなのか、自分の中できちんと整理をして、どちらになるか判断してください。

その結論として事業である、と考えたならば、万が一税務調査が入って「雑所得」ではないか、と言われてしまっても、
その時に考えた理由で、しっかり反論できるのではないでしょうか。

副業にやさしい税、確定申告になりますように

これからは副業の時代ともいわれています。

副業、という名前であっても、その収入は生活や、生活を豊かにするための重要な収入です。

副業をしているサラリーマンが申告しやすいよう、事業所得となるのか雑所得となるのかの基準は明確にしてほしいと思います。

また、副業にうまくつかえる特例も整備されていけばいいのになとも思います。

 

 


★この記事は、投稿時の法律、著者の心境に基づいて書かれております。

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