/ 4月 3, 2019/ 税金・会計

消費税増税、軽減税率の適用開始が2019年10月からはじまります。

軽減税率が導入されると、消費税の税率は標準税率(10%)と軽減税率(8%)の2種類になります。
すると、請求書、領収書や買い物をしたときのレシートにも、どれに、どちらの税率が適用されているのかを記載する必要が出てきます。

事業者の方は、発行する請求書等を税率ごとの合計額がわかるように記載するなど、法律にそった形式にしていくことになるかと思います。

これは、消費税を支払う課税事業者だけでなく、免税事業者も対応が必要になる場合もあります。

では、具体的にどのように変わっていくのか見ていきたいと思います。

請求書の方式が変わるとどうなるの?

そもそも、請求書の方式が変わると何に影響するのでしょうか。

消費税の計算、特に消費税でいう経費の部分に影響があります。

消費税の計算は、「預かった消費税 - 支払った消費税」の差額を納めることになっています。

預かった消費税 = (消費税的)収入

支払った消費税 = (消費税的)経費

と考えられますので、

「(消費税的)収入 - (消費税的)経費

です。事業の利益にあたる部分を納めるイメージです。

通常の事業でも、経費の証拠として請求書や領収書、レシートなどを保存していると思いますが、
消費税の面からみても、「支払った消費税」つまり、(消費税的)経費として認められるために請求書等を保存しなくてはいけません。
(1つの請求書、領収書、レシートが、所得税・法人税でも、消費税でも計算に利用されるということです。)
※ここでは詳しく触れませんが、もちろん、帳簿の保存も必要です。

ここで、今後必要になるのが区分記載請求書等・適格請求書等です。

消費税の計算では、これらの請求書等の方式で決められた記載事項がないと、(消費税的)経費として認められないのです。

経費が認められない = 税金が増える

ということですから、新しい請求書等の方式に従った書類を保存することが大切です。
モノを売る、サービスを提供する側としては、新しい方式に従った請求書等を発行することが必要になります。

では、どのように請求書、領収書、レシートの方式が変わっていくのか見ていきたいと思います。

請求書等の記載事項の変更スケジュール

軽減税率が導入されたのち、請求書等(請求書、領収書、レシートなど)に記載すべき事項が変更になります。
将来的には「適格請求書」というものになっていきます。これは、諸外国で「インボイス」と呼ばれているもの(に近いもの)になります。

ただ、2019年10月の軽減税率開始と同時に、適格請求書等を発行せよ!とはなっていません。
2019年10月からは、「区分記載請求書等」という形式で請求書等を発行するようになります。
現行の請求書等から、適格請求書等に向けて、少しステップアップした形のものになります。

この変更のスケジュールは、以下の通りとなっています。

区分記載請求書等の時代

いつからいつまで?


区分記載請求書は、上記で見た通り、2019年10月から、適格請求書が導入される2023年9月末まで適用されることになります。

区分記載請求書ってどんなもの?

区分記載請求書は、「税率ごとに分けて書いた請求書」です。
記載すべき事項も現行のものとは大きく変わりません。

以下のように、2つの項目が追加されるだけです。

現行の請求書等に記載すべき事項

  • 発行者の氏名又は名称
  • 取引年月日
  • 取引内容
  • 取引金額
  • 書類の交付を受ける者の氏名又は名称

区分記載請求書等に記載すべき事項

現行の請求書等の記載事項

  • 軽減税率対象品目である旨
  • 税率区分ごとの合計請求額

具体的にどのように記載するかですが、厳密な様式がきまっているわけではありません。
国税庁のウェブサイトのQ&Aにいくつか例がのせられています。

例えば、軽減税率対象品目には、「※」マークを付けて、「※は軽減税率対象品目」と記載すればOKです。

※画像は国税庁Q&Aより引用させていただきました。 >> こちら

また、軽減税率と標準税率でそれぞれ別の請求書等を発行してもOKです。

※画像は国税庁Q&Aより引用させていただきました。 >> こちら

記載漏れの請求書等を受け取った場合は?

今から周知されているとはいえ、2019年10月の時点では、請求書等の記載事項の変更に対応しきれていない事業者のみなさんもいらっしゃるかもしれません。

では、区分請求書等に記載すべき事項が漏れてしまっている請求書等を受け取った場合はどうすればよいのでしょうか。

もし、記載が漏れている事項が

  • 軽減税率対象品目である旨
  • 税率区分ごとの合計請求額

つまり、現行の請求書等から追加となった項目、であれば、
自分で追記することができます。

そう、自分で追記することができるのです。

なかなか思い切った運用だな、という印象です。

もちろん、現行の請求書等に記載すべき事項である、取引年月日や金額などを勝手に書き換えてはいけません。偽造になってしまいます。
それらが間違っていた場合には、再発行をお願いして下さい。

なお、この運用は区分請求書等に対してのみ適用されますので、
次に見ていく適格請求書等については、どの項目も、もらった側が追記してはいけません。
再発行をお願いしてください。

適格請求書の時代

いつから?

適格請求書(適格請求書保存方式)は、2023年10月から導入されます。
少し先のことではありますが、区分請求書から適格請求書に変わるのは決まっていることでもあります。

区分請求書と比べて、記載事項などはそれほど大きく違いませんので、
適格請求書に対応することを踏まえたうえで、区分請求書への対応(どのような様式にするか)を考えるのがいいと思います。

適格請求書ってどんなもの?

適格請求書等は、簡単に言うと、消費税額が書かれた区分記載請求書等です。
記載しなければいけない事項も、先ほど見た区分記載請求書等に2つ増えるだけです。

区分記載請求書等に記載すべき事項

現行の請求書等の記載事項

  • 軽減税率対象品目である旨
  • 税率区分ごとの合計請求額

適格請求書等に記載すべき事項

区分記載請求書等の記載事項

  • 税率区分ごとの消費税額等
  • 登録番号

となります。

適格請求書等を発行するには登録が必要!

先ほどの適格請求書等の記載事項の項目に、「登録番号」というものがありました。

区分記載請求書等は、申請など必要なく、だれでも発行することができますが、
適格請求書等は、税務署に申請をして登録を受けた事業者のみが発行できます。

そして、登録の申請をして取得した登録番号を発行する適格請求書に記載する必要があります。

適格請求書等は2023年10月からですが、登録の申請書は2021年10月から提出することができます。

なお、ここで一つ注意点ですが、適格請求書等を発行するための登録は、課税事業者のみが受けることができます。
免税事業者は受けることができません。
つまり、免税事業者は適格請求書等を発行することができないということになります。

取引相手から発行を求められる場合などで、適格請求書等を発行したい場合には、免税事業者は課税事業者になる必要があります。

課税事業者選択届出書、という届出書を提出して課税事業者になったうえで、適格請求書等を発行するための登録申請書を提出することになります。

★図を入れる?

この場合には、免税事業者であった事業者の方も、課税事業者になるので、もちろん消費税の申告・納税をする必要が出てきます。

請求書等への対応は、すべての事業者が必要

2019年10月からの消費税の変更点としては、増税、軽減税率の導入というところによく焦点が当てられています。
うちは軽減税率対象の商品は扱ってないから関係ないかな、と思っている事業者の方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、請求書等の方式の変更には軽減税率対象品目を扱っている・いないにかかわらず対応していかなければなりません。

また、免税事業者であれば、適格請求書等は発行できませんので、

  • 課税事業者になり、適格請求書を発行するのか、
  • 免税事業者のまま、適格請求書を発行しない(=消費税をとらない)ということで取引相手のご理解を求めるのか

考えていかなければいけません。

軽減税率、区分記載請求書等の導入まであと半年です。
しっかり対応していきたいですね。

 

 


★この記事は、投稿時の法律、著者の心境に基づいて書かれております。

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