/ 11月 12, 2018/ 税金・会計

事業をしていると、ときに設備投資をすることが出てくると思います。

特殊な設備が必要な事業でなくても、
事業用の車を買ったり、売上が伸びてきたら賃貸だった店舗を購入するということもあるかもしれません。

そういうときに、少し考えた方が良いのは、消費税のことです。

 

消費税のしくみ

消費税は、消費者が払っているものですが、実際に国や地方に納めているのは事業者です。
事業者とは、法人や個人事業主のことです。

法人や個人事業主が消費者から預かった消費税を納めるのですが、その預かった消費税をそのまま全額納めるわけではありません。

法人や個人事業主も仕入れや経費などで、消費税を払っています。

この支払った消費税を、預かった消費税から引いて、残りを納めることになっています。
※厳密に言えば、支払った消費税の全額が引けるわけではありませんが、ここではその話は省略します。

消費税は、支払い分が多ければ還付される

では、もしこの支払った消費税が、預かった消費税より多い場合にはどうなるでしょうか。

納める分は、当然ありません。
払ったほうが多いので、その多く支払った分が還付されることになります。

大まかにいうと、
消費税を預かる = 売上
消費税を支払う = 仕入れ、経費
です。

支払った消費税が預かった消費税より大きくなる = 赤字!
となってしまいますので、通常のケースでは還付にはなりません。
(事業が赤字であれば話は多少変わってきますが、赤字でも消費税が納税になる場合も多くあります。)

ただし、消費税の計算では、固定資産の売却が売上(消費税を預かる)に入ったり、
固定資産の購入が仕入れ(消費税を支払う)に入ったり、
と通常の「売上」とはちょっと違うところもあります。
そのため、赤字ではなくても、還付が生じる場合があります。

それが、設備投資です。

設備投資は高額のものを購入することが多いので、たくさん消費税を支払います。
そして、消費税においては、減価償却という考え方はありません。
支払った時に、その消費税の全部(厳密にいえば全部とは限りませんが…)を預かった消費税から引くことになるので、
高額の買い物である設備投資をすると、支払った消費税が預かった消費税より大きくなることがあるのです。

特に、事業を始めたばかりのときなど、売上がまださほど大きくないときにこの状況になりやすいです。

このときには、すでに述べたとおり、消費税の還付を受けることができます。

 

どうすれば還付を受けられるのか

消費税の申告をすればよい(本則課税の場合)

この消費税の還付を受けるためには、消費税の申告をしなければいけません。
「預かった消費税より支払った消費税の方が多いから、返してください。」
と自分で申告しなければいけないのです。

もともと消費税の申告をしている方は、通常通り申告をすればOKということになります。
(ここでは詳細は省略しますが、簡易課税で申告されている方は還付を受けられません。
本則課税で申告をする必要があります。)

ここで注意したいのが、消費税の申告をしていない方、免税事業者といわれる方々です。

消費税は、前々期(個人であれば前々年)の課税売上(※)が1,000万円以上の方が、消費税を納める義務のある人です。
※消費税のかかる売り上げのことです。よくわからない場合は、ひとまず通常の売上と思ってください。

それ以外の、売上があまり大きくない法人、個人事業主の方は基本的には消費税を納める必要がありません。
つまり、消費税の申告をしなくてよい=免税事業者ということになっています。

こうした免税事業者の方は、消費税が還付になる計算だからといっても、消費税の申告をすることができません。
したがって、そのままでは還付を受けられないことになります。

免税事業者も課税事業者になれば還付を受けられる

では、免税事業者が消費税の還付を受けるにはどうすればよいのでしょうか。

消費税の申告をすれば良いのですから、消費税を納めなければいけない事業者(課税事業者といいます)になればよいのです。

免税事業者が課税事業者になるには、一定の手続きが必要です。
といってもそう難しいものではなく、「消費税課税事業者選択届出書」という届出書を税務署に提出すれば良いのです。

消費税課税事業者選択届出手続(国税庁ウェブサイト)

 

課税事業者選択届出書の注意点

この「消費税課税事業者選択届出書」(長いので以下、選択届出書と書きます)ですが、いくつか注意点があります。

事業年度開始前に提出しておかなければいけない

この選択届出書は、課税事業者になろうとする事業年度、つまり、設備投資をする事業年度が始まる前に提出しておく必要があります。
例外として、事業を始めたときは、その事業年度が終わるまでに提出すればOKです。

翌期(来年)に設備投資を考えている場合は、今期(今年)が終わるまでに選択届出書を提出しなければいけません。

※課税期間を短縮することにより当事業年度の途中から課税事業者になることもできますが…。
話が複雑になるので、ここでは省略します。
ご興味がある方は、当事務所の税務相談や、お近くの税理士等までお問い合わせください。

しばらく免税事業者には戻れない

この選択届出書ですが、1回提出すると、しばらく課税事業者である必要があります。
1回だけ還付を受けてすぐに免税事業者に戻られてしまうと、国・地方としては損なので仕方ないともいえます。

この免税事業者に戻れない期間は、原則的には2年です。
ただし、100万円以上の固定資産等の購入等をすると3年間に延長されます。

設備投資をした期は還付でも、翌期からは納税になることもありますので、トータルでどちらが得になるか考えないといけません。

免税事業者に戻るためには、再び届出が必要

では、その免税事業者に戻れない期間がすぎたら自動的に免税事業者に戻れるかというと、そうではありません。
「消費税課税事業者選択不適用届出書」という届出書を提出する必要があります。

消費税課税事業者選択不適用届出手続(国税庁ウェブサイト)

これを忘れてしまうと、提出するまで課税事業者となってしまい、毎期消費税の申告・納税をしなければいけないので注意してください。

 

おわりに

免税事業者ですと、消費税のことは気にしていないかもしれませんが、
節税できるポイントが隠れている場合もあります。
事業拡大を考えたときには、顧問契約でなくても、注意点や節税のポイントがないかなど、税理士に相談してみるのも良いかもしれません。




★この記事は、投稿時の法律、著者の心境に基づいて書かれております。

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