/ 3月 8, 2019/ 税金・会計

2018年の所得税の確定申告期限が迫ってきました。

まだ確定申告が終わっていない方は、そろそろ(本気で)焦ったほうがいいかもしれません。

自分の事業でそれどころではない!

という場合には、税理士に依頼する方法もありますが、この時期は税理士事務所は繁忙期です。
すでに依頼が手一杯で、新規の確定申告の依頼を受けてくれない事務所もあると思います。

なお、当事務所は、今のところ、時間単位での確定申告のご相談は税務相談にて承っています。
内容によっては確定申告のご依頼も受けることが可能ですので、お困りの際はご相談ください。

青色申告をはじめるなら、3月15日までに!

今年から青色申告を始める場合には、所得税の確定申告の締め切りと同じ、3月15日までに
青色申告承認申請書を提出する必要があります。

※1月15日以降に新たに事業を開始した場合には、事業を開始した日から2か月以内となります。

さて、この青色申告、有名な制度ではありますが、どんなメリットがあるのかおさらいしてみたいと思います。

(所得税の)青色申告のメリットって何?

青色申告特別控除

青色申告特別控除とは、「利益を最大65万円減らしてあげるよ」という制度です。
(事業規模でない不動産や簡易簿記の場合には最大10万円のこともあります)

例えば、収入300万円、原価・経費200万円の場合は、利益が100万円になりますが、
さらに、青色申告特別控除として65万円を差し引くことができます。

結果として、税金がかかる利益が100万円から35万円(100万 - 65万 = 35万)に減ることになります。

税額にすると、最低の税率でも3万円以上違ってきます。

※その他の収入、控除等の条件によって変わります。

なお、この青色申告特別控除額は2020年から55万円に減額されることになっています。
(代わりに「基礎控除」という控除が10万円アップします。)
電子申告をする等の条件を満たせば、引き続き65万円の控除を受けられます。
詳しくは、下記記事をご参照ください。

税制改正で青色申告特別控除額が2020年から変更に。65万円控除の要件とは。

損失の繰越

「青色申告特別控除?いやいや、利益なんか出ていない、赤字だから関係ない」

と思っている方、いらっしゃいませんか。いえいえ、関係あります。

青色申告の特典には、「赤字を3年間繰り越せる」というものがあります。

去年は赤字だったけれど、今年は黒字になった。税金がかかってくるぞ、

となったときに、青色申告をしていれば、去年の赤字と今年の黒字を相殺できます。

青色専従者給与

青色専従者給与というのは、簡単に言うと家族へ給料が支払える制度になります。
通常は、家族の人へお金を渡しても、それは給料にはなりません。
正確に言うと、経費として認められません。
ただし、青色申告をしていると、家族に支払った給料が経費になります。

なお、これには届出が必要になります。

また、給料を受け取った家族は配偶者控除、扶養控除が受けられない等の制限もありますので、
払う金額によっては税金的に損をする場合があります。

ある程度以上の給料を支払わないとオトクにならない制度ですが、
事業が軌道に乗って来て、利益が出るようになった際には、検討するとよいでしょう。

少額減価償却資産の一括償却

これも、経費に関係する制度です。

事業で扱う車、パソコン、などの資産は、買ったときにすぐにその全額が経費になるわけではありません。
減価償却、という手続きを通じて何年かにわけて経費にしていく必要があります。

例えば…

8万円のパソコン → 8万円の経費

15万円のパソコン → 3.75万円の経費(1月に買って使い始めた場合)
(4年間で経費にする。)

ただし、取得価額が10万円未満の資産であれば、買った年に全額経費にしてOKということになっています。

青色申告をしていれば、この金額が「30万円未満であれば」にアップします。
(資産の取得価額が合計して300万円まで)

15万円のパソコン → 3.75万円15万円の経費!

その他の税額控除

その他にも、青色申告をしている個人事業者向けの税額控除があります。
ざっと名前だけ列挙しておきます。
もし当てはまりそうなものがあれば、調べてみてください。
(そういう場合はすでに税理士が顧問についているとは思いますが…)

試験研究を行った場合の所得税額の特別控除
高度省エネルギー増進設備等を取得した場合の所得税額の特別控除
中小事業者が機械等を取得した場合の所得税額の特別控除
特定の地域において雇用者の数が増加した場合の所得税額の特別控除
特定中小事業者が経営改善設備を取得した場合の所得税額の特別控除
雇用者給与等支給額が増加した場合の所得税額の特別控除
地方活力向上地域等において特定建物を取得した場合の所得税の特別控除
地域経済牽(けん)引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の所得税の特別控除
特定中小事業者が特定経営力向上設備等を取得した場合の所得税の特別控除
革新的情報産業活用設備を取得した場合の所得税額の特別控除

青色申告をするためには、具体的に何をすればいいのか

さて、様々なメリットがある青色申告ですが、どうすれば青色申告することができるのでしょうか。
青色申告の特典を受けるためにはいくつか条件がありますので、それについて書いていきます。

申請書を出す

青色申告をしますので認めてください!と税務署にお願いする書類を出します。
青色申告承認申請書というものになります。

様式は、国税庁のホームページからダウンロードできます。 >> こちら

ただ、「承認申請」という名前がついていますが、提出しても、実際に税務署から「承認します!」と連絡が来るわけではありません。
年末までに何も言われなければOKですよ、という制度になっています。
数が多いので、いちいちお返事するのも大変ということなのでしょうか。。。

複式簿記での記帳

ここが一番ハードルが高い、と感じる方が多いのではないでしょうか。
複式簿記、というとなんだか難しそうな印象を受けるかもしれませんが、

「事業に使うパソコンを8万円で、クレジットカードで買った。」
「銀行口座から、クレジットカードの利用料8万円(パソコン代)が引き落とされた」
「売上1万円があがり、現金で受け取った」

と、取引が日本語であらわされているなら、当然、難しくないと思います。
これを一定のルールに沿って表したものが、複式簿記の「仕訳」というものです。

上記の取引であれば、

「事業に使うパソコンを8万円で、クレジットカードで買った。」
→ 器具備品 80,000 / 未払金 80,000

「銀行口座から、クレジットカードの利用料8万円(パソコン代)が引き落とされた」
→ 未払金 80,000 / 普通預金 80,000

「売上1万円があがり、現金で受け取った」
→ 現金 10,000 / 売上 80,000

となります。

事業に関係する(金銭的な)取引をするたびに、それを仕訳として記録していくことが、
複式簿記による記帳、になります。

ルールをひとつひとつ覚えるのは最初は大変です。
ですが、事業の取引はそれほどパターンが多くはありません。

数か月程度やってみれば、パターンが頭に入ってきて、慣れていくと思います。

また、会計ソフトには、ネットバンキングが使える銀行口座、クレジットカードのデータは自動で読み込み、仕訳まで推測してくれる機能などもあります。

ある程度は勉強しなくてはいけませんが、それほどハードルが高いものでもなくなってきていると思います。

損益計算書、貸借対照表を作る

事業を始めたばかりの方は、「損益計算書」「貸借対照表」といわれても「なんじゃそりゃ??」となってしまうと思います。
ただ、これは知らなくても何とかなります。

「損益計算書」「貸借対照表」は、簡単に言うと、複式簿記でつけた仕訳を集計してまとめたものです。

freee, MFクラウド, 弥生などの会計ソフトを使って、記帳していれば、自動で作成してくれます。

ですので、作り方を知らなくても、青色申告できます。

「損益計算書」「貸借対照表」は事業を続けていくためには、
いずれは読み方についてはある程度は知っておいたほうがいいものです。

けれど、よくわからないから青色申告できないや、となってしまうのはもったいないです。
青色申告をするかどうかの検討段階では、知らなくてもそれほど心配せずにいて大丈夫です。

期限内に申告する

青色申告が認められるためには、申告期限までに確定申告をしなければなりません。
毎年忘れずに確定申告しましょう。

青色申告は個人事業主の強い味方です。やってみてください!

さて、以上が青色申告の特典を受けるための条件です。

青色申告をしたいけれど、自分にできるのだろうか。
記帳についてもっと詳しく知りたい、教えてほしい、という場合には、当事務所でも相談を受け付けております。 >> 税務相談

慣れるまで、実際に記帳を一緒にやってほしい、という場合には、短期での顧問契約もお勧めいたします。 >> 税務顧問
(もちろん、短時間で終わりそうな場合には、税務相談を複数回ご利用いただいてもOKです。)

また、青色申告会(>>リンク)や、富山商工会議所(>>リンク)でも記帳指導などを行っているようです。

青色申告には様々な特典があります。節税策として、個人事業主の強い味方です。

また、節税になるというだけではありません。

青色申告の条件である、複式簿記による帳簿づけ、損益計算書・貸借対照表の作成により、自分の事業を数字で把握することができます。

事業の数字を把握することにより、現在の事業の状況の把握や見直しができます。
そしてそれは、今後の事業展開を考えていくうえでも重要になってきます。

青色申告、ぜひ挑戦してみてください。

 

 


★この記事は、投稿時の法律、著者の心境に基づいて書かれております。

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